一般的な死装束の中身とは?深い意味がある?基本的な死装束についてご紹介します
~一般的な死装束とは?深い意味があるの?基本的な死装束についてくわしくご紹介します~
🌸「死装束(しにしょうぞく)」とは、亡くなられた方にお着せする衣装のことです。仏式では「仏衣(ぶつい)」という白い着物「白装束」が一般的です。着物の背中にお経が書かれた「経帷子」と呼ばれるものもあります。
🌸なぜ亡くなると死装束を着せるの?
仏教精神に支えられた日本において、あちらの世界への旅支度にふさわしい装いだと古くから伝えられてきたからです。それでは死装束の中身についても詳しくお伝えします。
🌸地方や宗派により少し違いはありますが、時代を超えて人々に支持されてきた基本のセットをご説明いたします。
・白い着物 白装束と言います。仏式では着物の背中にお経が書いてある経帷子という着物もあり、左前(右見頃を上にする)になるように着せます。こちらの世では着物を着るときに右前(左見頃を上にする)ですが、あえて逆さになるように着せます。
・帯 着物の上から通常とは違う逆さに巻きます。後ろでは結べないため前で結びます。
・足袋(たび) 和装用の靴下。草履がはけるように先に履かせます。
・草履 足袋を履かせたあとに草履を逆さに履かせます。
・手甲(てこう) 手首から手の甲にかけて五角形の巻く布。腕の保護用。
・脚絆 (きゃはん) 四角布の四方に紐がついていて、足を守り傷がつかないようとされています。紐の結び目は縦結びします。
・六文銭 昔の信仰で三途の川を渡る渡し賃として持たせました。現代では一文銭を6枚描き印刷した紙が用意されています。さくらさくらでもご用意しています。
・頭陀袋(ずだぶくろ) 肩掛け紐の付いたポシェットのような袋。本来は修行僧が身の回りの物を入れて歩くために使いますが、死装束に添えられる頭陀袋は、故人の持ち物や手紙、写真やお札などを入れるご葬家もあります。地方の習慣で、印刷の六文銭を中に入れる場合もあります。
・数珠 仏の導きにより安らかに旅立てるように、仏様とのご縁を結ぶものとして故人の合掌した手に通したり(日本では葬儀前のご納棺の際に、故人の手を組ませて合掌し固定させます)、棺に納めたりします。当店でエンディングドレス(洋装の死装束)を用意された方でも、数珠を購入される方もおられます。装いは現代風で本人らしさや着せたいものをお選びになります。反面、古くからの日本の宗教観やしきたりも重んじたいと言われる方は、祈りの道具として必要とされているようです。
・天冠 故人の額に巻く三角頭巾のような冠状の飾りです。天の方向を指しているので仏の世界へ向かう姿の象徴で、迷わないように方向性を示すとも言われています。極楽での身分の尊さをあらわしているという説もあります。
🌸その他、杖や笠を添える場合もあり、最近では腰巻がセットになっているものもあります。
死装束の素材は、昔は麻や綿でしたが、現代では経年変化に強く、着付けの際に強度が保たれる必要があるので、ポリエステルやシルク素材が主流です。安価なナイロン製もあります。
🌸死に装束には、生前の装いと違う点として「逆さごと」という作法が特徴です。着物の打ち合わせや帯、草履を逆さ向きに身に着けたり縦結びにしたり、この世との違いをあらわします。
以上、死装束一式には諸説あります。亡くなられた方が、この世の営みを静かに閉じ、迷わずあの世への道を歩めるように整える。宗教的な意味に敬意をはらいながら、古来からの意義を基本に死装束を考案しています。
白装束をはじめとする亡くなられて初めて着せる死装束には、清浄を象徴し、故人の品格を尊びながら最期の旅路を整える道しるべのような意味があるのかもしれません。その時が、ご本人やご遺族が心を尽くして向き合い絆を深める時間となりますように。
さくらさくら拝
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