ピンクリボン月間に寄せて
10月はピンクリボン月間です。
今回は、代表である私自身の少し個人的な話をさせてください。
「まさか自分が…」
エンディングドレスのサービスを立ち上げてやっと軌道に乗り始めたある日。私自身にがんが見つかりました。
「誰かのために」と思って始めた華やかな死装束(エンディングドレス)を作る仕事。自分がこんなに早く着ることになるかもしれないという恐怖、無念さ。
人を助けるどころか「助けて!」と叫びたいほどの絶望の中で私は、エンディングドレスの事業は続けられないと思いました。
そんな中、3ヶ月におよぶ入院生活で心を決める出来事がありました。
抗がん剤で、髪が抜け、爪は黒ずみ、顔色がくすんでいく副作用。わたしたち患者は常にうつむき、暗黒の中で病と闘っていました。
入院生活で、唯一の光が「週末の一時帰宅」でした。
土曜日の朝、お気に入りの服に着替え、ていねいにメイクを始める。かわいいウィッグに歓声を上げる。まるで病棟にお花が咲いたような光景でした。
「じゃあ、また日曜の夜にね!」とウキウキしながら家族のもとへ向かう姿。
その姿を見たとき、私は気がついたのです。
「女性は、どんな時も美しくありたい。おしゃれは、命の光である」。
放射線治療に向かう毅然とした姿も、副作用に耐える横顔も、尊く、美しい。
けれど、好きな服に着替え、自分らしさを取り戻したときのあの、溢れるような笑顔は、もっと美しい。
抗がん剤と32回目の放射線治療がようやく終わる頃。私は強い使命を感じていました。
もし、この先またの命が与えられるなら、この「美しくありたい」女性の願いを叶えられるように尽くしたい、と。
私たちの届ける、さくらさくらのエンディングドレスは、派手に着飾るためのものではありません。
その方の歩みや自分らしさ。そして「最期まで美しくありたい」、「その願いを叶えてあげたい」という願いを包む、シンプルな一着です。
どうか私たちのつくる衣が、大切な人との絆となり、永遠に咲く花となりますように。
株式会社ルーナ
中野雅子
🌸 詳細はプロフィールリンクよりhttps://www.sakura-luna.jp
